みかんが死んでもう一ヶ月になる。
一ヶ月、、、なんだかすごく昔のことに感じる。みかんが居ないことにすっかり慣れてしまって、日々の生活の中、みかんのことを忘れている自分に後ろめたさを感じながら、大分前に書いた日記をここに転載します。
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僕は今一人パソコンに向かっていて隣の部屋ではBがもう蚊帳の中で寝ていて、階段の踊り場のところからみかんの寝ぼけてむにゃむにゃいっている音が聞こえて来る。23時29分。
僕が二年振りにインドから帰って来ると、みかんを預けていたはずの友人のMは、かみさんと子供を連れてインドに旅立ってしまったあとだった。みかんは別の友人のYのところに預けられていた。
僕がYのところに遊びに行くと、みかんが居た。みかんは僕のところにダーッと走って来て、クンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクンクン・・・と僕の匂いを嗅ぎ、またダーッと家の中に走り去って行った。そしてまたすぐにダーッと僕のところに走って来て、クンクンクンクンクンクンクンクンクン・・と嗅ぎ回り、またダーッと走り去り、、、そんな事を何回も何回も繰り返した。2年振り、、みかんは僕の事を思い出したようだった。だけど、僕に捨てられ、Mにも旅立たれて今はYのところでかわいがられているみかんは、僕の事をどう解釈していいのか分からずにいるように見えた。昔の飼い主、今の飼い主。僕がただ遊びに来ただけなのか?それともみかんを連れ戻しに来たのか????
僕は長い旅から帰ったばかりで家もなく、とりあえず車だけ手に入れてあちこちの友達の家を渡り歩いていた。Yはみかんにそうとう愛着が湧いているようで、「みかんをうちに譲ってくれないか?」と僕に申し出た。僕も迷っていた。家もないしまだ旅の途上のような生活だし、みかんと一緒なら何かとリスクを負う事にもなる。海外には行けない。Yも奥さんも子供もみかんをとてもかわいがっているし、ちゃんと家もある。僕はみかんが居なければどこに行くのも自由だ。。。。だけどみかんはかわいい、、、、
さんざん悩んだ末に、僕はやっぱりみかんを連れて行く事にした。Yは残念そうだったけど、そう決めた僕の車に、みかんは乗り込んで来てくれた。そしてその後はみかんと一緒に車で旅をする事になった。
・・・・・Yはその後別の犬を飼い始めた。みかんとよく似た毛並みの子犬をどこかからもらって来た。しばらくして遊びに行ったけど、よく吠える犬だった。「犬ってみんなみかんみたいに利口なものだと思ってた」と奥さんは言った。