new makez-inu’s blog

長野県界隈で芝居やら弾き語りやら便利屋やらやってる「まけずいぬ」「池田シン」のブログです。

ぼくの刑務所日記その6

昔、なんかの少年マンガ雑誌に「ぼくの動物園日記」という漫画があって、動物園の飼育係の若者と動物達の交流を描いたペーソスな感じの漫画で、ぼくはけっこう好きでした。「ぼくの刑務所日記」のタイトルはこの漫画から借用しました。

で、どこまで書いたっけ?

そう、病院棟に移された、ってとこだ。

病院棟は食事がちょっとだけ豪華です。薄ーい牛乳と果物とか、魚のフライとかがよけいにつきます。点呼も床にしゃがんで並ぶのではなく、ベッドに座っていればOK。で、一日一回、医者の診察があります。医者、とは言っても同じ囚人なんですけど。

一日一回、病院棟の住人達はこの医者の机の前に並びます。一人一人問診して薬を処方します。それだけ、、、

「具合はどうですか?」

とか訊かれるんだけど、ぼくはここの居心地が良かったので、

「いや、まだちょっと頭が痛くて、、、」

とか、

「おなかのぐあいがどおも、、」

とか答えました。そうすると何だかよく分からないけど頭痛薬やら胃腸薬やらをくれる。それでおしまい。ここで本当の病気になったら命あぶないな、、、

そんなまぁ、のんびりとした暮らしでした。特に何もやることもない。食事はインドに行ったことあるひとなら分かるかも知れないけど、ステンレスの四角いプレートで、ご飯の乗る場所とかダルスープの乗る場所とかに分かれているあれで出されます。プレートを持って食事係の前に並んでもらう訳ですけど、この食事係の人が、やっぱり囚人なんだけどチベット系のひとで、ぼくのことひいきしてくれて魚を一切れ余計にくれたりしました。

彼はチベットからの亡命者で、カルカッタチベット系出版社で働いていたところを手入れにあって捕まったそうです。ダラムサラチベット亡命政権の身分証明書を持っていなかったそうです。で、その身分証をダラムサラーの方に申請したんだけどそれがまだ来ない、ってことでもう2年もここに暮らしているとか。

他の囚人達の話も聞いてみたけど、ぼくの聞いた数人はみんなまだ刑の確定していない未決囚ばかりでした。裁判待ちでもう何年もここに暮らしている。そんなひと達ばっかりでした。何故そんなことになるのか? 一つには警察の仕事がとてつもなく遅い、ってことがあるみたいです。捕まえた。ひとまず刑務所に放り込んだ。で、次は起訴状というものを作って裁判所に提出して、それから裁判が始まる。その起訴状がなかなかできないんだそうです。だから裁判そのものが始まらない。みんな裁判待ちで何年も刑務所暮らし。と、どうもそういうことみたいですね。

つづく