タイの南部をマレーシアに向かって歩いていた。19歳の頃だった。
タイは南に細長く伸び、マレーシアと国境を接している。バンコックからマレーシアまで歩いていこう、とオレは考えていた。ゲリラが出るから危ない、とよく言われた。今は知らないけど当時のタイはピストルを簡単に買うことができたらしく、田舎の村で食堂に入った時、隣で食べてる兄ちゃんのGパンの尻ポケットに無造作に大きな拳銃が差してあったりして驚いた。喧嘩したらすぐ撃たれる、と注意された。
田舎道をテクテク歩いてると道端で何か焼いている酔っぱらいのおっさん達に声をかけられた。
「おーい! こっちにきて一緒に食え!」
見るとフライパンの上には大きなカエルが乗っていた。
おっさんはオレに、当時のタイでよく飲まれていた「メコン・ウイスキー」を勧め、焼きガエルをごちそうしてくれた。けっこう美味かった。自転車でおっさんの友人が通りかかった。リスを5,6匹もぶら下げていた。あれも食べるのだろうか?
いい感じにほろ酔いになったオレはおっさんに礼を言い、また南に向かって歩き出した。
